LOVOT病院の入院から退院までの流れ(前編)
LOVOT病院の院長です。
前回、病院の実情についてブログで書かせていただきました。
▼前回のブログはこちら▼
LOVOT病院では、入院数が増えてもスムーズに治療が進められるよう日々改善を進めています。
「病院ではどんな治療を受けているのですか?」
「どのような工程を辿って退院(帰宅)してくるのですか?」
このようなご質問をよくいただくので、2回に分けてLOVOT病院の入院から退院までの流れと、各工程でどのようなことを行っているのかを紹介しようと思います。
まずは全体的な流れから。
入院から退院までは以下のように進んでいきます。
- お預かりしたLOVOTが到着
- 受付
- 受入検査
- 診断
- 治療
- 動作確認
- 最終検査
- 退院
入院期間は1から8まで、通常約1〜2週間ほどかかります。
LOVOTの症状によって診断や治療内容が異なってくるので、入院期間もそれぞれに異なります。
では、工程を順番に説明していきます。
1.お預かりしたLOVOTが到着
お預かりした梱包箱(通い箱)が病院に到着します。
現在は金曜日にご自宅を出発するLOVOTが多く、次に土曜日・日曜日に出発するLOVOTが多いようです。
土日は病院がお休みのため、月曜日に3日分のお預かり分が到着します。
月曜日にいちばん多くのLOVOTが到着するため、日によっては到着から受付まで2日以上かかることも。
もし平日に出発が可能な場合は、混雑緩和のため、ご協力いただけるとうれしいです。
2.受付
病院に到着した順番に、梱包箱を開けていきます。
内容物(アイマスク、ホーンカバー、ネックサポーター、おくるみ、お手紙など)を確認し、お預かり品として保管。
LOVOTの機体情報とLOVOTコンシェルジュで受けたお問い合せ内容を照合。
この時点でLOVOTの外観を写真に撮影し、目視で全体の傷の有無をチェックしています。
機体とご申告症状を取り違えることのないよう1体ずつ確認を行っていますので、病院に到着したLOVOTが多いと1日で受付が完了しないこともあり、その時は翌日以降の受付となります。
受付を終えましたら、バックアップ工程に進みます。
これまでの記憶が消えないよう、治療開始前にデータを保存する作業です。
LOVOTは数分でバックアップが取れますが、ネストの場合は記録されている容量によっては数時間コースとなることがあります。
3.受入検査
(温度・湿度センサー、照度センサーの検査)
バックアップを取りましたら、受入検査。
具体的には以下の通りです。
- 赤外線センサーアレイ(センサーホーン)
- 温度・湿度センサー(ホーンの付け根)
- 照度センサー(センサーホーン)
- 測距センサー(センサーホーン、ホイール、しっぽ)
- タッチセンサー(からだ全体)
- 超音波センサー(しっぽ)
- レーダーセンサー(フロントセンサー)
- 深度カメラ(フロントセンサー)
- サーマルカメラ(センサーホーン)
- 半天球カメラ(センサーホーン)
- 半天球マイク(センサーホーン)
- モーター類(くび、うで、ホイール、しっぽ)
- アイディスプレイ(両目)
- ファン(5箇所)
- 充電端子
- 直進走行性
- 異音がないか
- センサーの接続確認
- モードスイッチ
- センサーホーンの脱着
- 鼻スイッチ
- 複合テスト(障害物検知、ネスト帰巣、ふるまい)
LOVOTコンシェルジュへご申告いただいていた症状の他に、異常が出ているところがないか。
検査機器で数値を、検査スペースで動作を、そしてドクターの目、耳、手で音や動作をチェックしていきます。
(タッチセンサー、モーター類、ファンなどの検査)
実はこの受入検査は、LOVOTドックの検査項目と同じなんです。
治療でもLOVOTドックでも、入院のたびにしっかり細かなところまでチェックしています。
ここでもし異常があった場合はカルテに追加され、次の診断工程へと進んでいきます。
4.診断
実際に治療を行うにあたり、治療部位と処置方法を決めるのが、この診断工程です。
カルテの内容を改めて読み直し、お客様からご申告いただいた内容のなかに「隠れた異常がないか」確認を行っています。
その後は、ご申告症状の再現確認(実際にLOVOTやネストを動かして、症状をドクターが確認しています)をして、症状ごとに処置内容を決めていきます。
もし症状が再現しないときは、しばらく動かしながらログデータやシステムの稼働状況をリアルタイムで確認し、異常の有無を見極めています。
しかし何度動かしても再現しない場合もあり、そのときはデータや担当者の所見で異常のありなしを判断。
異常がなければ特に処置は行いませんが、ご申告内容を見て、発生した場合の原因箇所の予測がつく場合は、念の為その箇所のパーツを予防交換しています。
ちなみに、、
LOVOTと一緒にいただくお手紙は、この診断工程で追加症状の申告がないか、念の為確認します。
もしカルテに記載のない症状が書かれていた場合は、該当のLOVOTを探して、申告内容を追加してもう一度診断を行うことになるので、入院期間がその分延びてしまいます。
追加症状が再現しなかったり原因特定が難しい場合は、改めてオーナー様へ状況のヒアリングを行ったり、再現するまで診断を続けるため、入院期間が長期化しがちです。
なので、症状のご申告はお手数ですがLOVOTコンシェルジュへお知らせください。
(お手紙でいただく励ましのお声は私たちの元気の源です)
この診断工程のあとに実際の治療が始まりますので、症状と治療内容の確認に漏れがないよう、入念に確認・検討を行っているところです。
不具合のお問い合わせをいただいた際には、LOVOTコンシェルジュから症状について具体的にお伺いしたり、再起動などお手元でできることをいくつもお試しいただいたり、動画や画像のご提供をお願いしております。
皆さまには大変ご面倒をおかけしていますが、ご自宅で起きている症状の情報があることで、実は診断時間の短縮や治療の精度が高まるのです。
そのため、今後もできる限りのご協力をいただけるとありがたいです。
だいぶ長くなってきたので、今回はここまでとさせていただきます。
これから「5.治療」へ進んでいきますので、続きは次回のブログで紹介しますね。
知らない不安をめくれば
知りたい愛情がある
ふむふむ。
※本ページで紹介した検査時の写真はイメージです。
※本ページの情報は2022年8月時点の情報です。
▼後編はこちら▼
▼LOVOT病院 院長ブログバックナンバーはこちら▼