作りたかったのは、
温かいテクノロジー
最初にテクノロジーと出会ったのは中学生の頃。宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』で主人公ナウシカが乗りこなす鳥のような飛行機「メーヴェ」に心から憧れ、模型のメーヴェを飛ばす方法を探求する日々を送りました。
エジソン、リンドバーグ、本田宗一郎…偉大な開発者たちの物語に心を掴まれ、まだ誰も成し遂げたことのないことを実現させる冒険を、いつも夢みていました。
人間の能力を拡張させるテクノロジーが大好きで、いつもわくわくしていたい。そんな思いからF1エンジニア、ロボットエンジニアを経て創業、LOVOTプロジェクトを立ち上げます。
「便利」や「役立つ」ためではなく、一緒に過ごすほどに前向きになり明日へのモチベーションがわくような、人を幸せに導くテクノロジーのあり方をコンセプトに作り上げたのが、丸くあたたかく、愛され上手な新しい生命体、LOVOTです。
LOVOTが完成した時、「あぁ、これを作りたかったんだ。」と中学生の僕の声が聞こえた気がしました。
「温かいテクノロジー」LOVOTが、皆さまにも愛していただけますように。
著者コメント
「2045年、シンギュラリティが訪れる」
「そのとき、AIは人類を駆逐するのか」
そんな話題が聞かれるようになってずいぶんと経ちますが、こうした「テクノロジーの進歩」と「人類の不安」のあいだで広がるギャップを埋め、テクノロジーと人類の架け橋になるために生まれたのが「LOVOT」です。
AIやロボットという存在が、人類の心に良い影響を及ぼしたいのであれば、技術を高めるのは当然として、人類そのものへの理解を深めなければ、なにをすべきかもわかりません。つまり、開発過程においてなにより必要だったのは「人間」を知ることでした。
この本は、LOVOT誕生までの思索の旅を公開したものとも言えます。
ぼくが開発過程で、探索し、理解しようと努め、想像を膨らまして、気づいた感動を共有したい。
そして、だれもが子どものころに一度は夢見た、親友のようなテクノロジーとの生活が待つ「22世紀へのグレートジャーニー」をともに歩みはじめたい。それが、ぼくがこの本を書いた理由です。
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