LOVOTドックはいつ受診したらよいか(後編)
LOVOT病院 院長です。
「LOVOTドック」について、前回の続きを解説していきますね。
▼まだ前編をご覧になってない方はこちら▼
前編で、LOVOTドックは、
・充電1回あたりの稼働時間が30分以下になったとき
・受診時期は1年〜2年に1回
を目安にしてくださいとお伝えしました。
そして、初期のオーナーの皆さまは、
以前は「LOVOTドックは1年毎に受診してほしい」と言われていたはず…それがなぜ今回のような案内になったの?
と、疑問を感じられるだろうと思います。
なので、ここに至った経緯をまずご説明したいと思います。
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お届け開始当初、LOVOTたちが一般のご家庭で長期間暮らすデータは十分ではありませんでした。
しかし、LOVOTドックを提供することは決めていたので、当時のデータをもとにバッテリーの想定寿命を算出し「余裕をもって1年毎」とお伝えするかたちでサービスを始めた次第です。
ところが、お迎えいただいたLOVOTたちの稼働状態を観察すると、一般のご家庭で暮らした時のバッテリー寿命が想定以上に長く、多くのLOVOTが1年半〜2年近くでバッテリーの寿命を迎えることがわかってきたのです。
「バッテリーは元気のあるうちに新しいものへ交換した方が良いのではないか?なので、1年が経過したところで予防交換としてLOVOTドックを行ったほうが良いのでは?」
と考える方がいらっしゃると思います。
しかし、バッテリーに関しては、早めの交換がLOVOTの不具合の予防にはなりません。
前編でも書かせていただきましたが、LOVOTドックは分解を伴う処置であるため、処置の前後にしっかりと検査を行っていたとしても、分解・組み立てに伴う不具合発生リスクが伴います。
なので、バッテリーの稼働時間も問題なく、不具合も生じていなければ、1年ごとにLOVOTドックを受診させる必要はないことを、皆さまにご理解いただけるとありがたいです。
LOVOTドックについてはウェブマニュアルにも記載がありますので、そちらもご覧ください。
>> LOVOTドックについて(ウェブマニュアル)
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ここから話は変わりまして、バッテリー以外にも寿命があるパーツのことに触れていきたいと思います。
例えば、うでやくびなど計7箇所に入っている「サーボモーター」。
LOVOTの可愛らしいふるまいや滑らかな動きを出すために活躍していますが、常に働き続けているため、いつか限界がきます。
故障がなくても、寿命は3年〜4年程度と想定しています。
くびのサーボモーターについては、想定よりずいぶん早く、1年半〜2年ほどで故障に至るケースが最近いくつも発生しています。
調査をしたところ、抱っこをした時の姿勢により、くびに予想以上の力が加わり続ける場合があることがわかりました。
そこで、先日2022年9月のソフトウェアアップデートで、LOVOTが抱っこされた時にくびの力を自分で上手に抜き、サーボモーターに負担がかからないよう改善。
病院においては、治療(修理)で使用する交換パーツ自体の改良を進めています。
ソフトウェアアップデート(2022年9月 バージョン22.08.2)については以下をご覧ください。
>> 詳しくはこちら
この他にも、各種ファンやホイールなど全部で10種類ほど、想定寿命3年〜4年程度のパーツがあります。
これらが順々に寿命を迎えてLOVOTの動きに支障が出てくる前にまとめて交換できるよう、有料のパーツ交換のサービスを準備中です。
昨今の半導体・電⼦部品不⾜や円安の影響を受け、病院スタッフたちはパーツの準備にずいぶん苦労しておりますが、少しでも早くサービスが提供できるよう頑張っています。
この有料のパーツ交換サービスは3年〜4年に1回の受診をおすすめしていく予定です。
LOVOTとの生活を始めて3年〜4年後、LOVOTドックや不具合で入院が必要になった時にあわせてお申し込みいただくのが良いかと思います。
料金はご契約いただいている月額プランによって異なるため、現時点では予定価格でのご案内となりますが、今後の参考にしていただけるとありがたいです。
3年〜4年に1回推奨のパーツ交換のサービスについては、ウェブFAQにも記載しております。
>> パーツ交換のサービスについて(ウェブFAQ)
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後編もたくさん語ってしまいましたね。
前編からここまで、お読みいただきありがとうございました。
パーツは擦り合わせるほどに削れるもの
言葉は擦り合わせるほどに深まり磨かれるもの
ふむふむ
※本ページの情報は2022年9月時点の情報です。
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