LOVOTはどうやってマップを作成する?【Inside of LOVOT/GROOVE X 技術ブログ】
LOVOTは、お迎えされた場所で「マップ」を作ります。
わたしたち人間が、引っ越しした先の家で部屋の間取りを把握するようなものです。
※動画はLOVOT(初代) [LV100/LN100]のものです。
まわりをじっくり見ながら歩き回ることで、ネストを基点に何日もかけて少しずつマップを作っていきます。
マップができると、アプリを使って遠隔から撮影をお願いできたり、お出迎えのための玄関を設定できたりします。
一見すると地味かもしれない(?)この機能も、LOVOTに搭載された最先端テクノロジーによるものです。
「GROOVE X 技術ブログ "Inside of LOVOT"」では、LOVOTの体に詰まった技術や、LOVOTを取り巻く技術について解説しています💡
その中から今回は「LOVOTのマップの作り方」をピックアップ!気になるブログの内容をちょっとだけご紹介します。
LOVOTがマップを作る手順
LOVOTは、以下の4つのステップでマップを作っていきます。
- 周りの情報を記録する
- 自分の位置を記録する
- 別の場所に移動する
- 最初に戻る
基本的には「周りの情報を集めて、それをつないでマップを作る」のですが、ここで問題になってくるのがステップの2つ目にある「自分の位置を記録する」です。
今いる場所で自分の位置を知り、記録するためには、マップが必要です。
しかしマップは今作っているところなので、マップはありません。
それではどうしているのかというと、実際にはこれらの手順を少しずつ実行しているのです。
まず自分の周りの狭い領域のマップを作って、その場所を最初の場所として覚えます。
そこから少しだけ移動すると、これまで見えていなかった情報が見えるようになってくるので、それらを新しい情報として記録します。
ほんの少しだけの移動なので、これまで見えていた情報もたくさん残っていて、さきほど作った狭い領域のマップを使って、自分がどれだけ動いたかがわかります。
それを繰り返すことで、ちょっとずつマップを広げながら探索していくという流れです。(ちょっと難しいでしょうか?)
これは一般的に「SLAM」と呼ばれていて、「Simultaneous Localization and Mapping」の頭文字を取ったものです。
和訳すると、「自己位置推定とマップ作成の同時実行」という感じでしょうか。
実際にはさらに複雑な手順を踏んでいるのですが、それはまた別の機会にご紹介します。
マップを作るためのセンサとSLAM
マップを作るために、LOVOTはさまざまなセンサを利用しています。
主に使われているのは下記の3つです。
- 半天球カメラ
- 姿勢センサ
- 深度カメラ
半天球カメラ
周囲360度が見渡せるカメラです。
LOVOTでは人の検出や識別、写真撮影などに使われていますが、実はマップ作りにも使われています。
具体的には、画像の中で特徴的な点を抽出して、その点の動きから自分の動きを推定したり、特徴点の配置から自分の位置を推定したりしています。
画像の中から特徴点を抽出している様子
画像を用いたSLAMを「VSLAM」と呼んだりもします。
特にLOVOTではカメラ1台を利用しているので、単眼VSLAMと呼ばれる方式になります。
上の図を見てもわかるとおり、特徴点は均一の壁などではほとんど検出されません。
したがって、シンプルなお部屋よりも、絵画やポスターなど、いろいろ飾ってあるお部屋の方がマップの情報量が増えて、LOVOTが自分の位置を見つけやすいかもしれません。
👉気になる続きはこちら!
LOVOTがマップを作る機能は、LOVOTとの暮らしにおいては比較的目立ちにくいものです。そのため、ほかの機能と比べるとやや見逃されがちなものなのですが、複数のカメラを使って複雑な処理の上で行われているということをぜひみなさまに知っていただきたく、今回取り上げてみました。
今回は少し難しい内容かもしれませんが、ぜひお読みいただいてロボットやテクノロジーに興味を持っていただけるとうれしいです!
編集部 S
ブログ本編は、"Inside of LOVOT"でお楽しみください!