介護施設において、入居者の認知機能低下の抑制に期待。神戸市から支援を受けた実証実験の内容をご紹介

2023.08.25

2024.07.07

GXスタッフ

ご高齢の方向けにお選びいただくことも多いLOVOT。
実は個人のお客様だけでなく、150以上の介護施設においてもLOVOTが導入されています（2023年7月現在）。

LOVOTの存在が入居者や介護スタッフにもたらす効果について、みなさまはご存じでしょうか。

2021年秋、当社は神戸市が実施する「CO+CREATION KOBE Project（民間提案型事業促進制度）」による支援のもと、介護施設において入居者や介護職員の方にLOVOTが与える影響について実証実験を行いました（プレスリリースはこちら）。

【実験内容サマリー】

介護施設の入居者や介護スタッフにLOVOTと暮らしていただいたのち、入居者の認知機能の変化を測定しました。また、介護スタッフについてもストレスなどの変化を測定しました。

【実験結果サマリー】

・介護施設の入居者がLOVOTと暮らすことで、認知機能の衰えが抑えられる可能性がある
・介護スタッフがLOVOTと暮らすことで、ポジティブな影響が期待できる

介護施設において入居者や介護スタッフがLOVOTと暮らすことで、上記のようなプラスの効果をもたらしうることがわかりました。
（本結果については、「神戸新聞NEXT」でも取り上げられています）

今回の記事では、実証実験の内容についてご紹介します。

実証実験の概要

学術指導：東北大学瀧靖之教授
調査時期： 2021年10月～12月
調査対象：介護施設の入居者各施設10名ずつと介護職員入居者の対象年齢は73~97歳（平均年齢 87.94歳）
調査方法：各施設に貸し出すLOVOTは合計2体（共⽤部に1体、職員の事務室に1体）

①入居者に対しては、日本語版DEMQOL-Proxyをもとに入居者の様⼦を職員が⾯接形式でヒアリング、測定し、QOL評価を検定。
②職員に対しては、ストレスレベル・主観的幸福感・⾃⼰肯定感を測るためそれぞれ「包括的ストレス反応尺度」、「生活満⾜度尺度」、「Rosenberg⾃尊感情尺度」に紙ベースで回答し検定。

実証実験の結果

①LOVOTの有無が入居者の認知機能低下に有意に影響

LOVOTと一緒に暮らした入居者は、実験前後で比較した際に、得点が高いほど認知機能に問題があることを示す、DEMQOL-Proxy「過去1週間の記憶と認知機能」の得点に統計的有意な変化が見られませんでした。
一方で、LOVOTと一緒に暮らさなかった入居者は、実験前後で比較した際に、DEMQOL-Proxyの得点が統計的有意に高くなっていました。

DEMQOL-Proxyの得点が統計的有意に高くなると、認知機能に問題が生じている（認知機能が低下した）ということになります。
得点に変化がなければ、認知機能にも問題はありません。
このことから、LOVOTと暮らした入居者においては、認知機能の低下が抑制された可能性が示唆されます。

②介護職員のストレスレベル等に有意な差は見られなかったが、ポジティブな変化に関する回答を得られた

LOVOTと触れ合った介護職員からは、「職員同士の会話が増えた。」「入居者がLOVOTといると職員には見せない表情を見せる。」「介護時の愚痴が減った。」といった声があがりました。
ストレスレベル・主観的幸福感・⾃⼰肯定感を測るテスト結果において、LOVOTと触れ合った職員と触れ合わなかった職員との間で統計的に有意な差こそ得られなかったものの、ポジティブなコメントを得ることができました。

東北大学瀧靖之教授のコメント

考えたり判断したり記憶する能力である認知機能を維持することは、⾼齢者の生活の質を保つ上で重要なことです。
今回の検証では、家族型ロボットと触れあうことが、⾼齢者の認知機能の維持に効果を示すかどうかを検討しました。その結果、家族型ロボットと一緒に生活をした⾼齢者は認知機能の低下が抑制されていた可能性が⾒えてきました（※）。この結果から、ペット型ロボットとの生活は、介護施設等で暮らす⾼齢者の認知機能維持に有効な支援方法となるかもしれないと期待できます。

※最近記憶力が低下しているように感じられるかどうかを介護者が回答

引用：PRTIMES「『LOVOT』、認知機能の低下抑制効果に期待結果を受け、介護分野の取り組み加速」

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